先生と積み木の思い出

私は3か月間しか保育園に行っていません。ようやく入れた保育園でしたがすぐに父親の転勤が決まって引っ越しとなった為です。さても奈良でも保育園はどこなのかこの3か月間の保育園生活はなかなか濃いものでした。まず、母親に連れられて保育園に行くと、どうしてだか母は私を置いて帰ってしまう。どうしても意味が分からず毎日泣きじゃくりました。小さくなっていく背中を今でも鮮明に覚えています。大和高田で求人を求めている保育士の先生は私をあやしてくれて教室へ連れて行き、床にぺたんと座らせると次々と来る園児の対応に追われていました。3歳の私はこの世の終わりのような気持ちで絶望感を感じ一人オロオロとしていました。でも午睡の時間には勝てず、毎日すやすやと眠りこけ、気付けばお迎えの時間になっているという毎日。先生は毎朝泣きじゃくる私を気にかけ、あやしてくれました。よく積み木を一緒にしてくれて優しく話しかけてくれました。ようやく先生に慣れて来て、外での遊具で遊ぼうかという気持ちになった時です。ある日先生と母がいつもより長い話しをしていて、先生は私に「元気でね、またね」と言いました。私は何のことか意味が分からず、こうして退園してしまったのです。今思えば先生と積み木をしたあの時間が保育園での一番の思い出です。