口内炎ができた時、恋人とのキスや、家族との食事の場面で、「この口内炎、相手にうつしてしまわないだろうか?」と、不安に思ったことはありませんか。その心配は、あなたの口内炎の「種類」によって、全く異なります。結論から言うと、ほとんどの口内炎はうつりませんが、一部の「ウイルス性口内炎」の場合は、キスや、食器の共有などを通じて、感染する可能性があります。まず、心配のいらない「うつらない口内炎」は、「アフタ性口内炎」です。これは、ストレスや、疲労、栄養不足などが原因でできる、白くて丸い、最も一般的な口内炎です。これは、体の中の問題によって起こる「炎症」であり、感染源となるウイルスや細菌は存在しません。したがって、このタイプの口内炎であれば、キスをしても、同じお鍋をつついても、相手にうつる心配は、一切ありません。では、どのような場合に、注意が必要なのでしょうか。それは、あなたの口内炎が、ウイルス感染によって引き起こされている場合です。代表的なのが、「口唇ヘルペス」です。唇や、その周りに、ピリピリとした痛みを伴う、小さな水ぶくれの集まりができた場合、その水ぶくれや、それが破れた後の、じゅくじゅくした部分には、大量のヘルペスウイルスが含まれています。このウイルスは、非常に感染力が強く、キスなどの、直接的な接触はもちろん、ウイルスが付着したグラスや、ストロー、タオルなどを介しても、感染することがあります。症状が出ている間は、恋人とのキスは、残念ながら、お休みする必要があります。また、家族と暮らしている場合は、タオルや食器を分け、こまめな手洗いを徹底するなどの配慮が、感染拡大を防ぐために重要です。特に、ヘルペスウイルスに、まだ感染したことのない、小さな子供がいる家庭では、細心の注意が必要です。自分の口内炎の見た目を、よく観察してみてください。ただの白い丸であれば、心配は無用です。しかし、もし、それが「水ぶくれの集まり」であったなら、それは、周りの人への「思いやり」が試される時。愛する人を、ウイルスから守るための、賢明な行動を心がけましょう。