歯ブラシが歯や歯ぐきに当たると痛いという症状が続く場合、自己判断で対処せずに、できるだけ早く歯科医院を受診することが最も重要です。歯科医師は、痛みの原因を正確に診断し、それぞれの原因に応じた適切な治療法を提案してくれます。また、今後の予防策についても専門的なアドバイスを受けることができます。歯科医院で行われる主な診断と治療の流れは以下のようになります。まず、「問診」で、いつから痛むのか、どのような時に痛むのか、痛みの種類や程度、他に症状はないか、既往歴や生活習慣などについて詳しく聞き取りが行われます。次に、「視診・触診」で、歯科医師が直接お口の中の状態を確認します。痛む歯や歯ぐきの状態、虫歯の有無、歯周病の進行度、歯ぐきの腫れや出血、歯の揺れなどをチェックします。必要に応じて、「レントゲン検査」を行い、歯の内部や歯槽骨の状態など、見た目では分からない情報を得ます。これにより、隠れた虫歯や歯周病の進行度、歯の根の先の病変などを発見することができます。これらの診察・検査結果に基づいて、痛みの原因を特定し、治療計画が立てられます。原因が「虫歯」であれば、虫歯の部分を削って詰め物や被せ物をする治療が行われます。原因が「知覚過敏」であれば、露出した象牙質の表面に薬剤を塗布して刺激を遮断したり、レーザー治療を行ったりする場合があります。また、知覚過敏用の歯磨き粉の使用や、正しい歯磨き方法の指導も行われます。原因が「歯周病」であれば、歯石除去(スケーリング)やルートプレーニングといった専門的なクリーニングを行い、歯周病の原因となるプラークや歯石を除去します。重度の場合は、歯周外科手術が必要になることもあります。「口内炎」が原因であれば、軟膏の処方やレーザー治療などが行われることがあります。治療と並行して、歯科医師や歯科衛生士から「ブラッシング指導」を受けることも非常に大切です。正しい歯ブラシの選び方、持ち方、動かし方、力の入れ具合などを具体的に教えてもらうことで、歯や歯ぐきを傷つけることなく、効果的にプラークを除去できるようになります。歯ブラシが当たると痛いという悩みは、我慢せずに歯科医師に相談し、適切な治療とケアを受けることで、必ず改善へと向かいます。
歯科医院での歯ブラシ痛の治療と相談