歯の根の先に膿が溜まってしまった場合に行われる根管治療。「この治療、一体何回くらい通院すれば終わるのだろう?」と気になる方も多いのではないでしょうか。根管治療で膿を出し、完全に治癒させるまでにかかる回数は、歯の状態や炎症の程度、治療の進み具合などによって大きく異なるため、一概に「何回」と断言することは難しいのが現状です。しかし、一般的な目安や、回数が変動する要因について理解しておくことは、治療への不安を和らげるのに役立ちます。まず、根管治療の基本的な流れを把握しておきましょう。特に「根管内の清掃・消毒」と「薬剤の貼付」は、根管内が無菌的な状態になり、膿や炎症が完全に治まるまで、複数回にわたって行われることが一般的です。1回の治療時間は30分から1時間程度で、治療間隔は1週間から2週間程度空けることが多いです。膿の量が多い場合や、炎症が強い場合、あるいは根管の形態が複雑で清掃が難しい場合などは、治療回数が増える傾向にあります。例えば、前歯のように根管が1本で比較的まっすぐな場合は、2回から4回程度の通院で根管充填まで進めることもありますが、奥歯のように根管が複数あり、湾曲していたり、細かく分岐していたりする複雑なケースでは、5回以上の通院が必要になることも珍しくありません。また、治療途中で根管内に薬剤を詰めて様子を見る期間があり、その間に膿の排出が止まらなかったり、痛みが再発したりした場合は、再度清掃・消毒を行うため、さらに回数が増えることもあります。根管治療の成功には、根管内から細菌と膿を徹底的に除去し、再感染を防ぐことが不可欠です。そのため、歯科医師は慎重に治療を進め、根管内が十分にきれいになったことを確認してから次のステップに進みます。途中で治療を中断してしまうと、それまでの治療が無駄になってしまったり、かえって症状が悪化したりする可能性があるため、歯科医師の指示に従い、最後まで根気強く通院を続けることが非常に重要です。治療開始前に、担当の歯科医師に予想される治療回数や期間についてよく説明を受け、疑問や不安な点があれば遠慮なく質問するようにしましょう。
膿を出す根管治療何回くらいかかる?