顎関節症と長く付き合うためのマウスピース
顎関節症の症状がマウスピース治療によって改善された後、もうマウスピースは必要ないと考えてしまうかもしれません。しかし、症状が落ち着いたからといって、すぐに使用を中止するのは早計です。顎関節症は、一度良くなっても生活習慣やストレスなどが原因で再発しやすいという特徴があります。そのため、治療後のマウスピースは、症状をコントロールし、良好な状態を維持するための「お守り」のような役割を果たしてくれるのです。特に、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりの癖は、意識して治すことが非常に困難です。症状がなくても、根本的な癖が残っている限り、再発のリスクは常に存在します。マウスピースの装着を続けることで、この無意識の負担から顎を継続的に守ることができます。もちろん、毎日装着する必要はないかもしれません。歯科医師と相談の上、例えば週に数回や、仕事が忙しくストレスが多い時期だけ装着するなど、個々の状況に合わせた使い方を検討するのが良いでしょう。また、一度作ったマウスピースも永久に使えるわけではありません。長期間使用していると、すり減ったり、変形したり、あるいは噛み合わせの変化によって合わなくなってきたりします。そのため、症状がなくても定期的に歯科検診を受け、マウスピースの状態をチェックしてもらうことが重要です。必要であれば、修理や再製作を行い、常に自分の顎に合った状態を保つことが、再発防止の鍵となります。顎関節症は完治というよりも、うまくコントロールしながら付き合っていく病気と捉え、マウスピースを長期的な健康維持のパートナーとして活用していく視点が大切です。