顎関節症とマウスピース治療の体験
朝起きると、まるで一晩中固いものを噛み続けていたかのように顎が重く、だるい。そんな日々が続いていました。口を大きく開けようとすると、右の耳の付け根あたりで「カクン」と音が鳴り、時には痛みで食事すら億劫になることもありました。これが、私の顎関節症との付き合いの始まりです。最初はただの疲れだろうと高をくくっていましたが、症状は一向に改善せず、意を決して歯科医院の門を叩きました。診断の結果は、やはり顎関節症。原因は、就寝中の無意識の食いしばりだろうとのことでした。そして、治療法として提案されたのがマウスピースでした。正直、寝ている間ずっと口の中に器具を入れていることへの抵抗感はありましたが、この痛みから解放されるならと、治療をお願いすることにしました。歯型を取り、数週間後に完成した透明なマウスピースを受け取った夜、恐る恐る装着して眠りにつきました。最初の夜は、やはり違和感で何度も目が覚めてしまいました。しかし、翌朝の感覚はいつもと明らかに違いました。あの、ずっしりと重かった顎のだるさが、驚くほど軽減されていたのです。もちろん、違和感が完全になくなるまでには一週間ほどかかりましたが、朝の爽快感はそれを上回るものでした。定期的に通院して噛み合わせの調整をしてもらうたびに、マウスピースが自分の口に馴染んでいくのを感じました。今では、マウスピースなしで眠るのが少し怖いくらいです。あの「カクン」という音もほとんどしなくなり、食事を心から楽しめるようになりました。もし同じような症状で悩んでいる人がいたら、専門医に相談する勇気を持ってほしいと、心からそう思います。