差し歯の寿命は、使用される素材や製作方法、そして患者さん自身のケアの仕方など、多くの要因によって左右されます。一概に「この差し歯なら何年持つ」と断言することは難しいですが、一般的な傾向として、素材の特性から考えられる寿命の長さを、あくまで私見としてランキング形式で考察してみたいと思います。これは、歯科医師の専門的な見解とは異なる場合があることをご了承ください。まず、比較的寿命が長いと考えられるのは、「ジルコニアクラウン」や「オールセラミッククラウン(高品質なもの)」といった、自費診療の中でも耐久性に優れた素材で作られた差し歯です。ジルコニアは「人工ダイヤモンド」とも呼ばれるほど非常に硬く、摩耗しにくいのが特徴です。また、プラークが付着しにくく、生体親和性も高いため、二次的なトラブルが起こりにくいと考えられます。高品質なオールセラミックも、適切な製作技術と噛み合わせの調整が行われれば、変色も少なく、長期間にわたって審美性と機能性を維持できる可能性があります。これらの素材は、適切なケアと定期メンテナンスを前提とすれば、15年以上、場合によっては20年以上の寿命も期待できるかもしれません。次に続くのは、「メタルボンドクラウン」でしょうか。金属のフレームにセラミックを焼き付けたもので、強度と審美性を兼ね備えています。金属フレームがあるため、オールセラミックに比べて割れにくいというメリットがあります。ただし、長年使用すると歯茎との境目に金属の色が見えてきたり、金属アレルギーのリスクがあったりする点が考慮されます。適切なケアで10年から15年程度の寿命が見込めるのではないでしょうか。そして、保険適用の差し歯である「硬質レジン前装冠」や「レジンジャケット冠」は、上記の自費診療の素材に比べると、寿命はやや短い傾向にあると考えられます。レジンは吸水性があり変色しやすく、強度もセラミックや金属に比べて劣るため、摩耗したり、欠けたり、変色したりするスピードが速いと言えます。また、保険診療の制約から、自費診療のものほど精密な適合性を追求するのが難しい場合があり、二次的な虫歯や歯周病のリスクも相対的に高くなる可能性があります。
差し歯の種類別寿命ランキング私見