歯ぐきや頬の内側、唇の裏などに口内炎ができていると、歯ブラシが当たった瞬間に激しい痛みを感じ、毎日の歯磨きが苦痛になることがあります。しかし、口内炎があるからといって歯磨きを怠ると、お口の中の細菌が増殖し、口内炎の治りを遅らせたり、虫歯や歯周病のリスクを高めたりする可能性があります。口内炎が痛い場合でも、できるだけお口の中を清潔に保つための工夫が必要です。まず、歯ブラシの選び方です。普段使っている歯ブラシが硬めの場合は、一時的に「柔らかめ」の歯ブラシや「極細毛」の歯ブラシに変更しましょう。毛先が柔らかいことで、口内炎への刺激を最小限に抑えることができます。ヘッドの小さい歯ブラシを選ぶと、口内炎のある部分を避けながら、他の歯を磨きやすくなります。次に、歯磨き粉の選び方です。発泡剤(ラウリル硫酸ナトリウムなど)や刺激の強い香味料が含まれている歯磨き粉は、口内炎にしみることがあります。低刺激性の歯磨き粉や、発泡剤不使用のジェルタイプの歯磨き粉などを試してみるのがおすすめです。歯磨きの際には、「力を入れすぎない」ことが最も重要です。歯ブラシを軽く持ち、優しく小刻みに動かすように磨きましょう。口内炎のある部分は、可能であれば歯ブラシが直接当たらないように注意しながら、その周囲を丁寧に磨きます。どうしても歯ブラシが当たって痛い場合は、その部分だけ一時的に歯磨きを避け、食後に水やお茶でよくうがいをする、デンタルリンス(洗口液)を使用するといった方法で、ある程度清潔を保つことができます。デンタルリンスは、刺激の少ないノンアルコールタイプのものを選ぶと良いでしょう。また、歯磨き前に、口内炎に直接塗るタイプの軟膏やパッチ剤を使用すると、痛みを和らげ、歯ブラシの刺激から保護する効果が期待できます。これらの薬剤は薬局で購入できますが、症状がひどい場合や長引く場合は、歯科医院や耳鼻咽喉科を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。口内炎が治るまでは、刺激の強い食べ物(辛いもの、酸っぱいもの、熱いものなど)を避けることも大切です。
口内炎が痛い!歯ブラシを当てる時の工夫