差し歯は永久的なものではなく、いつかは寿命を迎え、再治療が必要になる時が来ます。その際、気になるのが再治療にかかる費用です。差し歯の再治療費用は、いくつかの要因によって大きく変動します。まず、最も大きな要因は、再治療が必要になった原因と、その治療内容です。単に差し歯を固定しているセメントが劣化して外れただけで、差し歯自体や土台の歯に問題がない場合は、比較的安価な費用で再装着できる可能性があります。しかし、土台となる歯が虫歯になっていたり、歯周病が進行していたり、あるいは差し歯自体が破損していたりする場合は、それらの治療が別途必要になります。虫歯が進行して神経の治療(根管治療)が必要になったり、歯周病治療が必要になったりすれば、その分の費用が加算されます。根管治療は複雑で時間のかかる治療のため、費用もそれなりにかかります。次に、新しく作り直す差し歯の種類(素材)によって費用は大きく異なります。保険適用の差し歯(硬質レジン前装冠など)であれば、比較的安価に再製作できますが、自費診療の差し歯(オールセラミッククラウン、ジルコニアクラウンなど)を選ぶ場合は、数万円から十数万円、場合によってはそれ以上の費用がかかることもあります。審美性や耐久性、生体親和性などを考慮して、どの素材を選ぶかによって、再治療の総額は大きく変わってきます。また、差し歯の土台(コア)を作り直す必要があるかどうかも費用に影響します。土台が健全であればそのまま使用できることもありますが、土台が劣化していたり、虫歯になっていたり、あるいは新しい差し歯の素材に合わせて変更する必要があったりする場合は、土台の再製作費用も必要になります。土台の素材(金属コア、ファイバーコアなど)によっても費用は異なります。さらに、再治療を行う歯科医院の料金設定によっても、費用は変動します。自費診療の場合は、歯科医院ごとに料金が異なるため、事前にしっかりと確認することが大切です。
差し歯の寿命と再治療費用について